小高い丘を目指していた2人は、田中に言われた場所へと到着した。

「この辺だな」

周りよりも高い位置にある為ジャングルが一望できる。
遠くでは鳥たちが青空を背に飛んでいた。

「ここで流せばいいのか…」

ロックはiPodを取り出す。

「BGMが何とかしてくれるの意味が分からんが…」

「とにかく流してみれば良いだろう」

トシゾーの一言に頷き、iPodを再生する。

Sad warrior〜死にゆく男達〜の軽快なピアノから始まるイントロが流れ始めた。


♪〜Love〜愛は命〜それは別れ歌〜♪


Sad warrior〜死にゆく男達〜をBGMに周りの環境が変化してくる。

上空から大型の輸送機が30機以上飛んで来て、兵たちが雨のようにパラシュートで降下していく。


それに合わせて、ジャングルの一部がトンネルのように穴が開きジャブローの入口が現れる。

そこから手にM16を装備した兵たちがワラワラと出て来て、降下してくる兵達へ発砲し始め銃撃戦が始まる。


「………何が起きてる…んだ…?」


突然の状況にロックは戸惑う。

目の前では突然、戦争ともいえる大規模な戦闘が起きていた。


「絶好の機会だ、潜り込もう」


トシゾーの言葉を背に2人は小高い丘丘を掛けおりる。

戦闘中の為2人に気付く者は居ない。

そして手薄になった入口に近づき一気に潜入、田中から貰ったカードキーを使って中に入った。

中は格納庫なのかT-14やT-72などの戦車が静まっていた。


「さっきの戦闘でこれらが使われないとは…どういう事だ?」


「おかしな事が起きてるのは間違いないが、当初の目的の場所へ潜入出来たのは間違いないな」


「あぁ、そうだな」


2人は格納庫を進んでいく。

不思議なことに見張りの兵も居ないようだ。


奥へと進むと貨物用のエレベーターが見えてきた。


「トシゾー、あれで上へと行けそうだ」


2人は頷き更に進んでいくと、そのエレベーターに乗る1つの影が見える。

敵だと思い2人はT-14の影にサッと隠れる。


「…何者だ」


ロックは小さく呟き影を見つめる。


頭にバンダナを巻き、ロックが着用しているスーツに類似したものを着ている。

腰にはソーコムらしき銃を装備。


「スニーキングスーツ…」


ロックの目は男を捉え続ける。

謎の男はエレベーターのスイッチを押し、扉が閉まっていく。

その瞬間、視線を感じたのか、男は振り返った。

目と目が合った気がしたが、男は直ぐに背を向ける。


「!?アレは…ジョナサン!?」


アラスカで消息を絶った男、ジョナサン。

そのジョナサンに一瞬見えたが扉は締まりきり姿は見えなくなった。


to be continued


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