「先を急ごう」
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ロック達は獣道を再び進んで行く。
「時代遅れな盗賊なんて居るもんなんだな」
「俺がいた時代にも似たようなのは居たさ」
トシゾーは何か気付いたようでロックには聞こえない程度で呟く。
「俺がいた時代……」
獣道を歩み進めてゆくとまた横から人影が。
「これ以上行かせる訳にはいかん!」
そこには見知った顔があった。
「ヤマートル!!」
黒猫のヤマートルが立っていた。
「お前達をこれ以上通す訳にはいかんのだよ」
そんなヤマートルは銃などの武器は持っていなく素手だった。
「俺達に勝てるとでも思ってるのか?」
「わざわざ1人で出向くわけなかろう」
するとまた横から人影が現れる。
男は青い帽子に、青と白のボーダーシャツ。
腰には刀を差していた。
「キュービン・佐川、俺の黒猫部隊と同じ組織に所属している佐川部隊の長だ。見ての通りキュービン
は剣豪だ!」
「俺の相手は貴様のようだな」
キュービン・佐川はトシゾーに挑戦的な言葉を放つ。
「同田貫正国…剛剣と言われているがそんななまくらで俺を斬れるとでも?」
トシゾーは鼻で笑う。
2人の間に火花が散る。
「ほう、言ってくれるではないか。この同田貫の斬れ味、とくと味わうがいい」
キュービンは抜刀する。
同田貫の刀身は美しく輝いている。
「刀を抜かぬか!」
「いいから来いよ!」
トシゾーの変わらない挑発的な言葉に、キュービンは疾走。
蒼き稲妻と化す。
2人の激突を横目にロックとヤマートルは睨み合う。
ロックのソーコムはホルスターに仕舞ったままだ。
「ほぅ、銃は使わん気か?」
「男なら肉弾戦だろ?」
ロックがニヤリと笑う。
「いい目をしている」
ヤマートルは自ら放った言葉を抜き去るように疾走。
それに合わせてロックも疾走した為2人の距離はすぐ様ゼロに。
ヤマートルの顔面を狙った左ストレートがロックの頬に当たる瞬間、ヤマートルの死角からロックの右フックが顔面を打撃。
左ストレートは動きに合わせて頭を捻り勢いを殺していた。
ロックのクロスカウンター。
2人は勢いを殺しつつ後退。
ヤマートルは血を吐きながら
「俺にクロスカウンターを当てるとはな……87人目だ!」
「いや、だからめっちゃ多いな!」
ロックの疾走からの左ハイキックがヤマートルの肩を打撃。
衝撃で木にぶつかるヤマートルに対して正拳突き。
ギリギリで交わされ木が粉砕。
正拳突きを避けたヤマートルの右拳がロックの脇腹に叩き込まれる。
ロックは踏ん張りながら右腕を掴み、手元に引き寄せながら右膝をヤマートルの顔面へ。
ヤマートルはそれをガードし、やり返すよう膝をロックの腹筋に叩きつける。
「ぐっ…」
ロックは後ろへよろめく。
追撃の正拳突きを喰らいロックは吹っ飛んだ。
「お前がやろうとしたことを全てやり返してやったのだ」
ヤマートルは勝ち誇ったように笑う。
仰向けに倒れていたロックは起き上がり呟く。
「考えるな、感じろ!」
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