ロックがヤマートルを倒した頃、トシゾーとキュービンの戦いは続いていた。
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兼定と同田貫が火花を散らす。
トシゾーはキュービンの音速の踏み込みからの袈裟斬りをバックステップで躱す。
更に追撃の切返しを兼定で弾き返す。
キュービンの手が膨らんだとこにトシゾーの胴切り。
腰をくの字に曲げギリギリで躱す。
右上に切り上げるも顔を反らされこれも躱される。
続く上段からの打ち込みは同田貫で受け止められる。
「まぁまぁやるじゃねーか」
トシゾーはニヤリと笑みを浮かべる。
「気が合うな、同じ事を思った」
キュービンも同じく笑うと同時に蹴りを放つ。
トシゾーは咄嗟に離れ距離を取る。
距離を詰められ下からの斬り上げを兼定で弾き左の拳で顔面を殴る。
「ぐっ」
仰け反ったキュービンの腹に蹴りをめり込ませ、吹っ飛んだキュービンは木に激突した。
キュービンは直ぐに反撃しようとするが腹部に激痛。
隙を逃さなかったトシゾーの兼定が左脇腹に刺さっていた。
「あがっ…」
気力を絞り同田貫を振るが空振りに終わる。
左脇腹から血がながら落ちる。
それを左手で抑えキュービンは1歩前へ進む。
この出血量だと持って数分だろう。
キュービンは死を覚悟した最期の踏み込み、トシゾーとの距離を一気に縮め右斜め上からの斬り下げ。
トシゾーは懐に潜り込み、キュービンの右手首を斬る。
同田貫を持った右手首が宙を舞った。
「うぎゃっ」
キュービンは苦痛の声と共に後ろへと下がる。
「もはやこれまでか…」
「潔いいな。そこは認めてやろう」
「この傷では俺の命は持ってあと数分だろう…トシゾーよ…いい死合だった…」
「.........」
「だが安心するなよ…俺の他にまだペリカンとカンガルーのビン兄弟…そしてユービンが居ることを…」
キュービンはその台詞を吐き、力尽きるように倒れる。そしてそのまま息をすることは無かった。
トシゾーはキュービンの最後の台詞に
「相分かった」
と答えるのみであった。
兼定に付いた血糊を拭き、鞘に収める。
「終わったか」
ロックが近づいてくる。
「以外にあっさりだったな、流石だ」
「相手が弱かろうと強かろうと武士として死合したからには貶す事はしないさ。いい死合だった」
ロックは武士として、そして男としてのカッコ良さを感じた。
「行こう!」
2人は北東にある小高い丘を目指す。
to be continued
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